未来トランクスの持っている剣の切れ味は凄まじく、サイボーグ化してパワーアップしたメカフリーザの身体をいとも簡単に斬り裂いています。
(出典:ドラゴンボール28巻/95p)
トランクスが強敵だったフリーザを一刀両断するシーンは衝撃的で、忘れられないほどのインパクトを残す名シーンとなりました。
その後、このシーンの印象が強いのか「トランクスといえば剣」というイメージがついたと思いますが、トランクスがこの剣を手に入れた経緯についてはあまりはっきりしていません。
この記事では「トランクスの剣の正体」について、いくつか仮設を立てながら考察してみたいと思います。
トランクスの剣はタピオンから譲り受けたもの説
トランクスの剣の正体について考えた時、まず真っ先にタピオンの事が浮かんでくると思います。
タピオンは「劇場版ドラゴンボールZ 龍拳爆発!! 悟空がやらねば誰がやる」に登場したキャラクターです。
(出典:劇場版ドラゴンボールZ 龍拳爆発!! 悟空がやらねば誰がやる)
南の銀河のコナッツ星でヒルデガーンを封印した伝説の勇者で、ミノシアという弟がいます。
タピオンとミノシアはコナッツ星の神から与えられた笛を使い、幻魔人ヒルデガーンの動きを抑え込み、待ち構えていた神官が剣によって一刀両断。
(出典:劇場版ドラゴンボールZ 龍拳爆発!! 悟空がやらねば誰がやる)
ヒルデガーンの身体を上半身と下半身に分け、タピオンとミノシアの身体にそれぞれ封印しました。
その後、タピオンとミノシアはヒルデガーンが二度と蘇らないようにオルゴールの中に封印され、別々の銀河に流されます。
しばらくして、ヒルデガーンの復活を企む「魔道士ホイ」によってミノシアのオルゴールが発見され封印が解かれてしまいます。
オルゴールの中にいたミノシアはホイに殺され、ヒルデガーンの下半身が復活。
さらにホイはタピオンが封印されているオルゴールも手に入れていましたが、こちらの封印の解除には手こずったようで、ドラゴンボールを求めて地球に向かいました。
地球に来たホイは悟空達と出会い、神龍を利用して勇者タピオンの封印を解きます。
封印が解かれてしまったタピオンはひと目のつかないところに身を隠していましたが、トランクスとの交流により、心を通じ合わせるようになります。
その後、完全復活を果たしたヒルデガーンは悟空によって倒され、自分の時代に帰るためタイムマシンに乗り込んだタピオンは、仲良くなったトランクスに自分の持っていた剣を譲り渡すのです。
(出典:劇場版ドラゴンボールZ 龍拳爆発!! 悟空がやらねば誰がやる)
「トランクスが剣をどのようにして手に入れたのか?」について補完がされた劇場版ですが、基本的にはパラレル扱いになっています。
・未来世界はピッコロが死んでドラゴンボールがないため、タピオンの封印は解けない。
・トランクスが子供の時点では過去に帰るためのタイムマシンも作れていないし、人造人間の事をおいてタピオンが過去に帰れるわけがない。
・青年になった未来トランクスの世界にタピオンはいないので、タピオンは人造人間に殺されていることになる。
・人造人間以上の強さのヒルデガーンをどうやって倒したのか?
・ホイがヒルデガーンの封印を解くとしたらドラゴンボールのない地球ではなく、新ナメック星に行くのではないか?
・そもそも剣を貰ったのは「未来のトランクス」ではなく「現代のトランクス」であり、この2人は別人。
などなど色々突っ込みどころも出てきてしまいます。
また、人造人間以上のヒルデガーンをどう倒したかについては「ヒルデガーンをタピオンがオカリナで封印し、それをトランクスが斬った」と考える事も出来ます。
トランクスがタピオンごとヒルデガーンを斬り倒したので、未来にタピオンはおらず、トランクスはその剣を形見として受け継いでいたのかもしれません。
この劇場版のタピオンの影のあるかっこよさや、トランクスと交流を深めるシーンのできが素晴らしく、ファンも多いためなのか、「未来トランクスの持っている剣はタピオンのものである」という設定になっているゲームもあるようです。
「劇場版ドラゴンボールZ 龍拳爆発!! 悟空がやらねば誰がやる」は名作です。
私自身、当時リアルタイムで映画館に行って鑑賞しているので、思い入れもかなりあります。
次の考察に行きます。
未来悟飯の形見説
サイヤ人編でピッコロと修行をしていた悟飯は剣を出してもらっています。
(出典:ドラゴンボール18巻/62p)
悟飯はこの剣で恐竜のしっぽを切り、それを焼いて食べていましたが、ベジータとナッパが地球に来るときには持っていませんでした。
たぶん戦闘力が上がったことで剣が不要になり捨てたのかも知れませんが、ピッコロとの修行の思い出の品なので探して家にしまっておいた可能性もあります。
悟飯は以外に物持ちがよく、ナメック星で着ていた戦闘服を地球に帰って来ても捨てずにとっておき、メカフリーザが襲来した時にこの戦闘服を着て闘いに向かっていました。
(出典:ドラゴンボール28巻/63p)
そのため、未来悟飯が人造人間に殺された後、遺品整理をしていた時にトランクスは悟飯の剣を見つけ、それをブルマがトランクス用に強化改造を施したのかも知れません。
ブルマの科学力であればフリーザを切り裂けるだけの改造を施すことは・・出来ます。
エネルギー吸収式人造人間への対抗手段説
未来トランクスが最初に悟空に伝えたのは「人造人間19号と20号」です。
(出典:ドラゴンボール28巻/140p)
2人の人造人間はエネルギー永久式の17号と18号と違い、手の平から相手のエネルギーを吸い込む「エネルギー吸収式の人造人間」です。
鳥山先生の当初のプロットでは人造人間20号が最大の敵になる予定だったそうですが、当時の担当編集さんから「ジジイ」と言われて没になったそうです。
(出典:ドラゴンボールフルカラー人造人間・セル編6巻/221p)
他にも、
17号と18号 ←ガキじゃん。
16号を出す ←リクームじゃん。
セルを出す ←かっこ悪いですよ。
第二形態 ←馬鹿みたいじゃないですか。早く完全体にしましょう。
という経緯があるようで、かなりのダメ出しを受けた結果、完全体のセルが誕生したようです。
話を戻します。
エネルギー吸収式の人造人間と闘うためにトランクスは剣を装備していたのかも知れません。
剣でリーチを伸ばして攻撃すれば、掴まれてエネルギーを吸収される危険性をある程度は下げられます。
少年時代の悟空も触られると人参になってしまう能力を持つ「兎人参化」に如意棒を使って闘っていました。
(出典:ドラゴンボール2巻/82p)
また、こちらの説に出てくるトランクスの剣もブルマが作ったものと考えられます。
ちなみに「ドラゴンボール超全集4」には以下の記述があります。
おそらく未来の特殊な技術で、精錬を施されたものと思われるが、人造人間18号を切ることは出来なかった。
普段は特製のサヤに収められ、トランクスの背中に装着されている。
『龍拳爆発!!~』でタピオンから譲り受けたエピソードが描かれている。
(引用:ドラゴンボール超全集4/207p)
公式的には「未来の技術で作られた」と「タピオンから譲り受けた」、2つの解釈があるようです。
トランクスの剣の歴史
最後にトランクスの剣の歴史をざっくりとまとめます。
【メカフリーザを斬り裂くトランクス】
(出典:ドラゴンボール28巻/95p)
抜群のインパクトを残したトランクスの初登場シーンです。
アニメでは「バトルポイント・アンリミテッド」が流れ、ド派手にメカフリーザをぶった切ります。
【タピオンから剣を譲り受けるトランクス】
(出典:劇場版ドラゴンボールZ 龍拳爆発!! 悟空がやらねば誰がやる)
龍拳爆発にて登場したタピオンから剣を譲り受けるエピソードが描かれました。
これ以降「トランクスの剣はタピオンから譲り受けたもの」と言う解釈が定着します。
【ゼットソードで修行するトランクス】
(出典:ドラゴンボール超3巻/7p)
漫画版のドラゴンボール超では魔人ブウの復活を阻止するため、ゼットソードを使いながらトランクスは界王神界で修行をしました。
【DB超では剣の形が変わっている】
(引用:ドラゴンボール超2巻/181p)
(引用:ドラゴンボール超全集4/207p)
ドラゴンボール超では剣の形状が少し変わり、若干大きくなっています。
【アニメで登場した元気玉ソード】
(出典:ドラゴンボール超 66話)
トランクスは未来世界で生き残った人達の「気」を折れた剣に集め、光り輝く大剣を作り出しました。
合体ザマスはこの剣で切り裂かれています。
また、この技は他にも「トランクスソード」、「ファイナルホープスラッシュ」と呼ばれているようです。