マジュニア編終了後に登場したサイヤ人のラディッツの持ってきた数々の新設定によって、ドラゴンボールは新たなる展開を迎えます。
この記事では、その新設定の数々を振り返りながら、無限に広がり続けるドラゴンボールの世界観について考察してみようと思います。
悟空の兄貴ラディッツが持ってきた数々の新設定
(引用:ドラゴンボール17巻/69p)
悟空が天下一武道会に優勝してから数年後、カメハウスに集まっていた仲間たちの前に一人の男が現れます。
男の名前はラディッツ。
なんとラディッツは悟空の兄と名乗っていたのです。
そして明かされる悟空の出生と、ラディッツによってもたらされた新設定の数々。
ドラゴンボールは悟空の兄ラディッツの登場によって新展開を迎えます。
明かされる悟空の出生「戦闘民族サイヤ人」
悟空の本名は「カカロット」、惑星ベジータで生まれた戦闘民族サイヤ人だということがラディッツによって明かされます。
サイヤ人は環境の良い星を侵略し、異星人に高く売ることが仕事です。
(引用:ドラゴンボール17巻/72p)
侵略するのが大変そうな星には戦闘力の高いサイヤ人が侵略に行き、侵略するのが容易そうな星には赤ん坊を送り込みます。
地球は侵略するのが簡単そうな星だったため、赤ちゃんだった時の悟空は地球に送り込まれました。
そして地球を侵略するために送り込まれた悟空は、孫悟飯じいちゃんに拾われ育てられます。
拾われたばかりの悟空は悟飯じいちゃんの言うことを聞かないくらいの凶暴な性格をしていましたが、ある日不注意で谷底に落ちてしまい大怪我を負ってしまいます。
大怪我を負った悟空は生死の境をさまよいますが、信じられない生命力で生き延びるのです。
そして一命をとりとめた悟空は、これ以降凶暴さが消えて大人しい、いい子になりました。
(引用:ドラゴンボール17巻/67p)
地球を侵略するために送り込まれたサイヤ人の悟空は谷底に落ちたことにより、凶暴さが消えて侵略する対象の地球人と仲良く暮らすことが出来るようになったのです。
戦闘力とスカウター
(引用:ドラゴンボール18巻/66p)
悟空の兄であるサイヤ人のラディッツは、片目にスカウターという機械をつけています。
このスカウターは相手の強さ(戦闘力)を数値化し計測することが出来ます。
スカウターの登場によって悟空たちの強さが数値化され、新しい強さの表現が生まれました。
広がるドラゴンボールの世界観とその魅力
ラディッツの持ってきた数々の新設定によって、悟空の天下一武道会優勝で一旦の幕引きをしたドラゴンボールは新展開を迎えました。
明かされる悟空の出生、戦闘民族サイヤ人、戦闘力とスカウターなどの登場によって、ドラゴンボールの世界観は宇宙規模になり、さらなる広がりを見せます。
戦闘描写も激しくなり、今までとは比べ物にならないほどの強敵が登場し、悟空もどんどん強くなっていきます。
(引用:ドラゴンボール20.27.35巻/41.73.107p)
(引用:ドラゴンボール40.42巻/27.22p)
そして、ドラゴンボールの魅力はこの「広がり続ける世界観」にあると言ってもいいのではないでしょうか。
原作にもある亀仙人の台詞を引用します。
(引用:ドラゴンボール17巻/27p)
たった一つのドラゴンボールと、野生児の孫悟空とブルマの出会いから始まったドラゴンボール。
悟空はドラゴンボールを探しながら沢山の人と出会い、どんどん強くなっていきます。
ラディッツ登場以降は宇宙規模にまで話が広がって悟空も際限なく強くなり、世界観や戦闘力がインフレしていきます。
まるでビッグバンによって出来た宇宙が膨張し続けていくかのように、ドラゴンボールの世界観は広がっていきました。
しかし、インフレし続けていく中で唯一インフレを起こさないものがあります。
悟空たちは歳を取り老けていくのです。
(引用:ドラゴンボール42巻/214p)
小さな少年だった悟空は成長し、子供を作り親になり、最終話では孫ができておじいちゃんになります。
そして非現実的にインフレし続けていく世界観の中で、現実的に歳を取り続けるキャラクター達のアンバランスさこそが、ドラゴンボールの最大の魅力だと個人的に思っています。
(引用:ドラゴンボール42巻/228p)
現在でもドラゴンボールはどんどん世界観を広げ、悟空たちの強さもインフレし続けています。
ちょっとキャラクターは見た目が老けたりしなくなってしまいましたが・・・。