完全体になったセルは戦闘力が高いことはもちろんですが、もうひとつ今までの形態とは違う強さを持っています。
この記事では完全体セルの戦闘力だけではない、強さの秘密について考察していきたいと思います。
完全体セルの戦闘力だけではない強さの秘密
(引用:ドラゴンボール32巻/189p)
セルが完全体になるまでのドラゴンボールは「戦闘力が高いほうが勝つ」といった展開が繰り広げられていました。
「修行をして戦闘力を高めて敵に勝つ」人造人間編の後半ではそれが加熱しすぎてしまい、ただのパワーゲームになってしまっていたと思います。
しかし完全体になったセルは、そんな展開に一石を投じるような強さを持っています。
完全体セルの強さの秘密、それは「頭脳」です。
完全体セルVS超ベジータ
精神と時の部屋で超サイヤ人の壁を超えたベジータは自らを「超ベジータ」と名乗り、第二形態のセルを圧倒する強さを身に着けました。
しかし完全体になったセルには歯が立ちません。
追い込まれたベジータはセルを挑発してファイナルフラッシュを当てようとしました。
(引用:ドラゴンボール32巻/155p)
セルはベジータの挑発を受けファイナルフラッシュの直撃を受けて身体が半分ほど吹き飛んでしまいます。
(引用:ドラゴンボール32巻/161p)
勝ちを確信したベジータは高笑いをしていましたが、セルはベジータの狙いを見抜いていて、体を再生させてしまいます。
(引用:ドラゴンボール32巻/164p)
ベジータは戦闘力だけでなく、セルに自分の狙いを見抜かれ、手も足も出せずに惨敗してしまいました。
(引用:ドラゴンボール32巻/172p)
完全体セルVS超トランクス
完全体セルは次にベジータを超えたトランクスと戦うことになります。
トランクスは超サイヤ人第3段階に変身し、さらに戦闘力を高めましたがセルに攻撃を当てることができません。
(引用:ドラゴンボール33巻/33p)
セルはトランクスの戦闘力に対して「私をじゅうぶんに超えている」と発言していますが、超サイヤ人第3段階の弱点である「スピードの遅さ」に気づいており、トランクスの攻撃を全て避けてしまったのです。
セルに弱点を指摘されたトランクスは戦意喪失してしまいました。
(引用:ドラゴンボール33巻/38p)
以上のように完全体セルはベジータとトランクスとの戦いで、高い戦闘力だけで勝つのではなく「頭の良さ」で勝利しています。
さらにトランクスが戦闘力の向上だけを目的とした変身をしたときには、トランクスのことを「バカ」と指摘しているのです。
(引用:ドラゴンボール33巻/36p)
単純なパワーゲームが繰り広げられてきた今までの展開を全否定するかのような強さ、頭の良さを完全体になったセルは持っています。
鳥山先生は恐らく、このままパワーゲームが続くことに疑問を持っていたのではないでしょうか。
そのため完全体セルの頭の良さを強調させ、今までの「ただ戦闘力を高めて強くなる展開」をセル自ら否定させることによって、完全体となったセルは今までとは別格の強さを持っていることを表現していると思います。
そしてこの後の展開で、完全体セルと同じくらいの戦闘力と頭の良さを持っているキャラクターが登場します。
それは・・・。
孫悟空
(引用:ドラゴンボール33巻/69p)
孫悟空です。
悟空は精神と時の部屋で超サイヤ人第3段階に変身することができていましたが、変身した直後に弱点に気づき、超サイヤ人第3段階はセルには通用しないことを見抜いていました。
(引用:ドラゴンボール33巻/34p)
ちなみにベジータもこの変身の弱点を見抜いていて、セルとの戦いでは使わなかったので、頭の良さは悟空≧ベジータ>トランクスの順になると思います。
さらに悟空はこの後、超サイヤ人になった時の落ち着かない気持ちを消すために「超サイヤ人になったまま生活する」というベジータ達とは違う修行方法を編み出します。
そして精神と時の部屋から出てきた悟空は、ベジータよりも強くなっていました。
また悟空はピッコロからセルゲームまでの9日間、精神と時の部屋で修業をするかどうか聞かれたときに断って「外界」で修行することを選んでいます。
「3日休んで3日特訓」、悟空はそう言うと悟飯と一緒に外界でのんびりと修行することになりました。
(引用:ドラゴンボール33巻/92p)
ストーリー中で悟空の頭の良さを出すことで、悟空とセルを戦わせることなく、この二人が同格の強さを持っていることを表現できていると思います。
(引用:ドラゴンボール33巻/77p)
完全体セルと悟空の頭の良さを表す話が続いて来ましたが、この後「バカの世界チャンピオン」が出てきます。
ミスターサタン登場
セルと悟空の頭の良さを表現する話が続いてきた後は、「バカの世界チャンピオン」が登場します。
ミスターサタンのことです。
(引用:ドラゴンボール33巻/165p)
頭の良いキャラクターを登場させた後は頭の悪いキャラクターも登場させたいと思うのは当然のことだと思います。
もしかしたら鳥山先生はキャラクターの頭の良さを強調させる話を書いている時に、正反対の究極的に頭の悪いキャラクターも登場させようと考えたのかもしれません。
しらんけど。