ドラゴンボールといえばバトル漫画として人気がありますが、初期のドラゴンボールはバトル漫画ではありませんでした。
それと、ホントかどうかはわかりませんが、最初の天下一武道会の話が始まるまでは人気が出なかったそうです。
この記事では「ドラゴンボールはどの辺りから本格的なバトル漫画に作風が変わったのか」考察していきたいと思います。
- 天下一武道会までドラゴンボールの作風はギャグ漫画
- ドラゴンボールにアラレちゃんが登場
- ドラゴンボールに桃白白登場
- アラレちゃん登場の83話以降 ドラゴンボールは人が死にまくる漫画になる
- 脱ギャグ漫画家鳥山明
- 桃白白登場後、バトル漫画となったドラゴンボール
天下一武道会までドラゴンボールの作風はギャグ漫画
天下一武道会までのドラゴンボールはバトル漫画とは程遠いギャグ漫画になっています。
(引用ドラゴンボール1巻/69p)
そのため、連載開始時もギャグ漫画枠として始まったために、ページ数も少なく15ページ程度しかありません。
ギャグ漫画として始まったドラゴンボールですが、最初は人気が出なかったそうです。
しかし天下一武道会編を始めると少しづつ人気が出始め、その後少しずつギャグ漫画からバトル漫画へとシフトしていくことになります。
バトル漫画にシフトしていくうちに死人が出るようになる
ドラゴンボールで最初に死んだ人間は、本編70話『ブルマの大失敗』で登場した「ブルー将軍のうしろで鼻クソをほじっていた眼鏡のおっさん」になります。
(引用ドラゴンボール6巻/138p)
この眼鏡のおっさんはブルー将軍の後ろで鼻クソをほじっていたのがバレて処刑されてしまいますが、処刑された理由はギャグになっています。
ドラゴンボールにアラレちゃんが登場
(引用ドラゴンボール7巻/122p)
レッドリボン軍編の中盤では鳥山先生の前作品であるアラレちゃんが出てきます。
ストーリーの内容としてもギャグ盛りだくさんで、「これから先できなくなるかもしれないからめいっぱいやってやろう」というような感じで笑える内容になっています。
そしてアラレちゃん登場以降、今までの作風に別れを告げるようにドラゴンボールの作風は変わっていきます。
アラレちゃん登場の次の話、ボラにヤリを投げられて串刺しになるレッドリボン軍
アラレちゃんの出て来る話が81話から83話になります。
そしてその後、84話では聖地カリンでウパの父親ボラがレッドリボン軍と戦っています。
ボラはレッドリボン軍の1人に持っていたヤリを投げて串刺しにして殺します。
(引用ドラゴンボール7巻/169p)
上記の鼻クソのおっさんとは違い、殺しがギャグではなくなっています。
そしてボラは聖地カリンにきたレッドリボン軍を皆殺しにしてしまうのです。
(引用ドラゴンボール7巻/172p)
ドラゴンボールに桃白白登場
ペンギン村からレッドリボン軍の本部に帰ってきたブルー将軍は兵士に一般人だと勘違いされて銃口を向けられます。
(引用ドラゴンボール8巻/10p)
このブルー将軍を一般人だと勘違いして銃口を向けた兵士は、ブルー将軍に殴られて壁に叩きつけられて血を流して死にます。
桃白白に殺されるブルー将軍
本部に帰ってきたブルー将軍は悟空から奪ったドラゴンレーダーをレッド総帥に渡しますが、レッド総帥は「私はドラゴンボールをもってこいと命令した」といってドラゴンボールを持ってこれなかったブルー将軍を処刑しようとしました。
ブルー将軍はもちろん猛反発します。
そこでレッド総帥はブルー将軍の今までの貢献度を考えて「最近雇った殺し屋の桃白白と戦い勝つことが出来たら見逃す」と言ってブルー将軍と桃白白を戦わせます。
ブルー将軍は桃白白と闘いますが、ベロでこめかみを刺されてあっさりと殺されます。
(引用ドラゴンボール8巻/16p)
ここまでのストーリーですが完全にギャグ漫画ではなく、人が死ぬバトル漫画になっています。
その後、桃白白は聖地カリンに行き、ボラをヤリで串刺しにして殺し、悟空にどどん波を撃って殺します(桃白白は殺したと思っていたが悟空は気絶していただけ)。
その後、桃白白は悟空と戦った時にかめはめ波を食らって服が破けてしまったため、仕立て屋に新しい服を作ってもらいに行きます。
そしてその後、服を作ってもらった桃白白はお金を払わずに店を出ていこうとしたところ、仕立て屋からお金を払うように引き止められてしまいます。
引き止められた桃白白は仕立て屋に「お金の代わりに誰か殺してやろう」と言います。
もちろん仕立て屋は断りますが、断った仕立て屋は桃白白にひたいを指で刺されて殺されてしまうのです。
(引用ドラゴンボール8巻/80p)
アラレちゃん登場の83話以降 ドラゴンボールは人が死にまくる漫画になる
84話から87話の4話の間に死んだ人物は、
- 聖地カリンに攻め込んでボラに殺されたレッドリボン軍。
- ブルー将軍を一般人だと勘違いして銃口を向けた兵士。
- 桃白白にベロで殺されたブルー将軍。
- 桃白白にヤリを投げられて串刺しになったボラ。
- ・白白にひたいを指で刺さされて殺された仕立て屋。
たった4話で沢山の人物が殺されています。
今までのドラゴンボールでは考えられない展開です。
脱ギャグ漫画家鳥山明
ここからは完全に個人の推察.......というか妄想の話になります。
ドラゴンボールは最初のギャグ漫画の間は人気が出なかったそうです。
しかし天下一武道会から人気が出始めてバトル漫画に少しずつ変わっていきます。
その後、レッドリボン軍などが出てきて悟空は軍隊と戦うようになります。
最初は鼻クソをほじってたおっさんが「鼻クソをほじっていた」という理由で処刑されるような殺しがギャグになっていましたが、アラレちゃん登場以降、殺しにギャグがなくなっていきます。
そしてアラレちゃん登場して以降、たった4話の間に人が死にまくります。
これは恐らく今までの鳥山さんのギャグ漫画家としてのイメージを壊すためにやったことではないでしょうか。
当時の鳥山さんはDr.スランプのイメージが強かったと思います。
「ドラゴンボールもバトル漫画路線になったといっても、人が死ぬような漫画ではない」、そう当時の読者も思っていたと思います。
そこでドラゴンボールでいったんアラレちゃんを登場させて今までの作風を出し、その後、桃白白を出して人が死にまくるような話を連続して作ることによって、今までの作風を壊しているように感じます。
そして、この4話の間に登場人物を殺しまくったドラゴンボールは以降、平気で人が死んだり殺人が行われたりするバトル漫画へとシフトしていき、戦いの描写もどんどん派手になっていきます。
桃白白登場後、バトル漫画となったドラゴンボール
(引用ドラゴンボール8巻/11p)
天下一武道会で人気が出始めたドラゴンボールは少しづつバトル漫画路線にシフトしていき、悟空もレッドリボン軍という軍隊と戦うようになっていきます。
軍隊と戦い始めたからには人が死ぬことも普通にあると思います。
そこで、今までの鳥山さんの作風を壊すためにアラレちゃんを一回出し、その後登場人物を殺しまくることによって、読者に「これからのドラゴンボールは人が死んだりするようなバトル漫画に変わります。」みたいな事を伝えているように思います。
今では鳥山さんはドラゴンボールのイメージが強いですが、当時はDr.スランプのイメージが強かったと思います。
当時ドラゴンボールを読んでいた読者は、突然登場人物が死にまくるようになったことに驚いたんじゃないでしょうか。
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